記事の内容
夏休みが始まると、学校から子どもたちの姿がなくなり校内は静かな日々が続きますが、先生たちは新学期に向けて黙々と準備をしています。
休み明けに登校すると何も変わっていないように見える教室や学校も、実は先生たちが整備してくれているからこそ、といえるでしょう。
そこで、学校の先生の「夏休みならではのお仕事」を、現役の小学校教師である松下隼司先生にお聞きしました。
どういうことか、詳しく解説します。
国語・算数・理科・社会それぞれのプリントを黙々と印刷し続ける日も(笑)。学期中は時間がなかったり、ほかの先生たちもコピー機を使ったりしているので、大量に刷り出す余裕があまりないんですよね。
そのほか、新学期からの席の配置(席替え)も考えています。最近はアプリで配置を決めることもできるのですが、私は一人ひとりの顔を思い浮かべながら、ああでもない、こうでもないと地道に考える方が性に合っていました。
そのほかの教室内の細かい備品チェックなどもありますが、最近は職員室でできる作業はなるべく職員室で行うことが多いです。同僚の先生方の仕事ぶりから、気付くことや学ぶことがたくさんあるからです。
また、わざわざ教室で作業をすると教室ごとにエアコンの電気代がかかってしまうため、省エネの観点からも職員室にいることが多いですね。
校内農園があれば、その水やりです。夏休み期間中に枯らしてしまっては、新学期以降の学習に影響が出ますから、交代制で毎日欠かさず水をやりに行きます。土日に水やりだけのために学校へ行くこともしばしばあります。
また、理科の学習では生き物の観察を行うため、理科室のメダカなどの管理も交代で行っています。最近はクラスで動物を飼うことは衛生面の観点から減りましたが、こうした生き物の維持も大切な仕事です。
そのほか、5年生の担任であれば稲作の体験としてバケツで稲を育てている場合があるため、その管理も入ってきます。
私もお盆休みに数日ほど実家へ帰省することがあるのですが、その間は学校の様子を見に行けません。そのため、帰省から戻ると農園の野菜たちが心配で、自宅に荷物を置くより先に学校へ行くこともありました。野菜は子どもたちの大切な学びの教材ですし、枯れてしまってはかわいそうですからね。
3学期制の場合は、通常の授業や夏休みの宿題の準備などと並行して通知表を作っていましたが、夏休み後に通知表を配付する2期制であれば、比較的自分のペースで仕事ができる夏休み中に通知表の作成作業ができるようになります。
3学期制に比べて心に余裕を持ったスケジュールで評価業務を行えるのがメリットです。
通知表の在り方については全国でさまざまな取り組みがありますが、年2回の配付となっても、しっかりと一人ひとりの子どもたちを見取り、頑張りを評価してあげることを心掛けています。
夏休みはもちろん授業はありませんが、先生たちは新学期からの授業や、元気に登校してくる子どもたちのことを思い浮かべながら、こうした作業を黙々とこなしています。
松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。新刊「先生を続けるための『演じる』仕事術」(かもがわ出版)など著書多数。voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。
この記事の執筆者: 大塚 ようこ
フリーランス編集・ライター。子育てや教育、夫婦問題、ジェンダーなどを中心に幅広いテーマで取材・執筆を行っている。
休み明けに登校すると何も変わっていないように見える教室や学校も、実は先生たちが整備してくれているからこそ、といえるでしょう。
そこで、学校の先生の「夏休みならではのお仕事」を、現役の小学校教師である松下隼司先生にお聞きしました。
(質問)
夏休み中、先生たちは学校でどんな仕事をしているの?(回答)
新学期に向け、子どもたちには気付かれないけれど、大事な作業を黙々とやっています。どういうことか、詳しく解説します。
アプリ活用から印刷作業まで! 新学期に向けた地道な準備作業
夏休みは、新学期に向けて教室の備品などを確認・補充していることが多いですね。教室の整備に関わることでいえば、各教科のプリントの準備は夏休みにしています。国語・算数・理科・社会それぞれのプリントを黙々と印刷し続ける日も(笑)。学期中は時間がなかったり、ほかの先生たちもコピー機を使ったりしているので、大量に刷り出す余裕があまりないんですよね。
そのほか、新学期からの席の配置(席替え)も考えています。最近はアプリで配置を決めることもできるのですが、私は一人ひとりの顔を思い浮かべながら、ああでもない、こうでもないと地道に考える方が性に合っていました。
そのほかの教室内の細かい備品チェックなどもありますが、最近は職員室でできる作業はなるべく職員室で行うことが多いです。同僚の先生方の仕事ぶりから、気付くことや学ぶことがたくさんあるからです。
また、わざわざ教室で作業をすると教室ごとにエアコンの電気代がかかってしまうため、省エネの観点からも職員室にいることが多いですね。
水やりから生き物のお世話まで。休日に学校へ行くことも
実は、夏休みの仕事は教室外にもたくさんあります。校内農園があれば、その水やりです。夏休み期間中に枯らしてしまっては、新学期以降の学習に影響が出ますから、交代制で毎日欠かさず水をやりに行きます。土日に水やりだけのために学校へ行くこともしばしばあります。
また、理科の学習では生き物の観察を行うため、理科室のメダカなどの管理も交代で行っています。最近はクラスで動物を飼うことは衛生面の観点から減りましたが、こうした生き物の維持も大切な仕事です。
そのほか、5年生の担任であれば稲作の体験としてバケツで稲を育てている場合があるため、その管理も入ってきます。
私もお盆休みに数日ほど実家へ帰省することがあるのですが、その間は学校の様子を見に行けません。そのため、帰省から戻ると農園の野菜たちが心配で、自宅に荷物を置くより先に学校へ行くこともありました。野菜は子どもたちの大切な学びの教材ですし、枯れてしまってはかわいそうですからね。
夏休みに通知表づくり? 働き方改革で変わりつつある先生の仕事
これまでのスタンダードだった3学期制から、前期・後期制の「2期制」を導入する学校が増えてきています。2期制の場合、前期の通知表は9月ごろ渡すため、夏休み中に作成している先生も多くいらっしゃいます。3学期制の場合は、通常の授業や夏休みの宿題の準備などと並行して通知表を作っていましたが、夏休み後に通知表を配付する2期制であれば、比較的自分のペースで仕事ができる夏休み中に通知表の作成作業ができるようになります。
3学期制に比べて心に余裕を持ったスケジュールで評価業務を行えるのがメリットです。
通知表の在り方については全国でさまざまな取り組みがありますが、年2回の配付となっても、しっかりと一人ひとりの子どもたちを見取り、頑張りを評価してあげることを心掛けています。
夏休みはもちろん授業はありませんが、先生たちは新学期からの授業や、元気に登校してくる子どもたちのことを思い浮かべながら、こうした作業を黙々とこなしています。
松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。新刊「先生を続けるための『演じる』仕事術」(かもがわ出版)など著書多数。voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。
この記事の執筆者: 大塚 ようこ
フリーランス編集・ライター。子育てや教育、夫婦問題、ジェンダーなどを中心に幅広いテーマで取材・執筆を行っている。












