記事の内容
夏休みが始まって早10日ほどが経ちました。レジャーに帰省など予定が盛りだくさんで、終業式の時点で「気分は夏休み」のお子さんも多かったのではないでしょうか?
しかし、終業式後も先生たちはもちろん仕事をしていました。子どもたちが帰ってからも休憩時間がとれていないようです。
今回は、現役の小学校教師である松下隼司先生に「夏休み前の終業式後の先生たちの過ごし方」についてお聞きしました。
どういうことか、詳しく解説します。
しかし、午後の授業がない1学期最後の日も、先生たちは休憩時間を全く取れないほど、たくさんの業務があります。
子どもたちの下校後に行う職員打ち合わせでは、夏休み中の業務についてあらゆることを確認します。教務部、生活指導部、各研究部などから、夏休み中や夏休み明けの重要事項が次々と共有されます。
例えば生活指導関係では、夏休み中の校区巡視や、各教室に置いてある防火バケツの点検・補充といった議題が上がります。
教頭先生から業務に関する伝達事項があるのですが、項目が数十個に及ぶこともあるため、書類の配布をもって共有とするケースも多いようです。
それが終わると、次は諸帳簿点検を行います。主に指導要録(学校で保管している子どもの学籍や学習状況などが記載されている文書)の確認です。
子どもの転出入の記録の抜けはないか、校区内での引っ越しによる住所変更などが反映されているかも、しっかり確認します。
また、めったにないことですが、成績の記録漏れなどがないかも確認し、万が一あったときは通知表などの記録を基に転記します。
こうした諸帳簿点検は見落としがないよう先生同士で相互点検を行い、記入漏れがないよう毎学期末に徹底しています。
そして、さまざまな仕事がある中で一番忘れてはならないのが、欠席した子どもの自宅へ配付物や通知表を届けることです。
夏休みの過ごし方に関わる大切な書類、そして何より通知表は大事な成績を伝えるものですので、各ご家庭にお電話し、原則として当日中にお届けするようにしています。
忘れたり持ち帰りきれなかったりすると、保護者の方に学校まで取りに来ていただくことになるため、荷物の持ち帰りは夏休みスタートの2週間前から計画的に行っています。
最近はタブレット端末など重いものが増えたので、時間をかけて少しずつ持ち帰らせるようにしています。
ただ、以前と少しずつ変わってきているのは、何でもかんでも持って帰らせるのではなく、学校に置いたままでもよいものはそのままにするという流れです。
例えば、重たいお道具箱は無理に持って帰らなくてもよいことにし、その代わり、のりやクレヨンなど足りなくなりそうなものだけを補充するようにします。
このように変化してきた理由は、子どもが持って帰るには重いので荷物を減らしてあげたいという思いと、一度持って帰ってしまうとなかなか学校に持ってこない子がいるからです(笑)。
しかし今は、私も含めて早く帰るという方はほとんどいません。それくらい夏休み中の業務が多いのだと思います。
例えば、秋以降の遠足や修学旅行などの下見も夏休みの間に行きます。行き先の施設はもちろん、ルートやトイレの場所なども細かくチェックしに行きます。
また、1学期の週案(1週間の学習計画)を管理職に提出して、学習の進み具合を確認します。大体1年間の学習の3分の1が終わっているかを確認するためです。
それから、冒頭でも少し触れましたが、日直の先生は校区内の巡視を行います。
校区にある公園や、子どもたちが立ち寄りそうなお店・ゲームセンターなどを周ります。子どもたちが危険な遊びをしていないか、また、地域に迷惑をおかけしていないかをチェックするためです。
以前だったら公園で会うと「不審者や交通事故に気を付けて遊んでね」などと声をかけていたのですが、近年の夏休みは猛暑が続いているので、子どもたちを外で見かけることはかなり減りました。
こんな感じで、先生たちは終業式の午後から始業式の前日まで、2学期の授業や行事の準備をしていることが多いです。夏休み明けに子どもたちに会えるのを楽しみにしながら働いています。
松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。新刊『がっこうとコロナ』(教育報道出版社)など著書多数。Voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。
この記事の執筆者: 大塚 ようこ
フリーランス編集・ライター。子育てや教育、夫婦問題、ジェンダーなどを中心に幅広いテーマで取材・執筆を行っている。
しかし、終業式後も先生たちはもちろん仕事をしていました。子どもたちが帰ってからも休憩時間がとれていないようです。
今回は、現役の小学校教師である松下隼司先生に「夏休み前の終業式後の先生たちの過ごし方」についてお聞きしました。
(質問)
夏休み前の終業式が終わった後、先生たちは何をしていたのですか?(回答)
職員打ち合わせを開いて、今日中にすることや夏休み中にすることなど、たくさんの業務について話し合っていました。どういうことか、詳しく解説します。
終業式後は第2ラウンド! 先生たちの夏休みは怒濤(どとう)の職員打ち合わせから
多くの小学校では1学期の終業式後、子どもたちは午前中で(もしくは給食後すぐに)下校することがほとんどだと思います。しかし、午後の授業がない1学期最後の日も、先生たちは休憩時間を全く取れないほど、たくさんの業務があります。
子どもたちの下校後に行う職員打ち合わせでは、夏休み中の業務についてあらゆることを確認します。教務部、生活指導部、各研究部などから、夏休み中や夏休み明けの重要事項が次々と共有されます。
例えば生活指導関係では、夏休み中の校区巡視や、各教室に置いてある防火バケツの点検・補充といった議題が上がります。
教頭先生から業務に関する伝達事項があるのですが、項目が数十個に及ぶこともあるため、書類の配布をもって共有とするケースも多いようです。
それが終わると、次は諸帳簿点検を行います。主に指導要録(学校で保管している子どもの学籍や学習状況などが記載されている文書)の確認です。
子どもの転出入の記録の抜けはないか、校区内での引っ越しによる住所変更などが反映されているかも、しっかり確認します。
また、めったにないことですが、成績の記録漏れなどがないかも確認し、万が一あったときは通知表などの記録を基に転記します。
こうした諸帳簿点検は見落としがないよう先生同士で相互点検を行い、記入漏れがないよう毎学期末に徹底しています。
そして、さまざまな仕事がある中で一番忘れてはならないのが、欠席した子どもの自宅へ配付物や通知表を届けることです。
夏休みの過ごし方に関わる大切な書類、そして何より通知表は大事な成績を伝えるものですので、各ご家庭にお電話し、原則として当日中にお届けするようにしています。
持ち帰りは2週間前から計画的に! 最近は荷物を減らす傾向も
子どもたちが帰る前の話にはなりますが、終業式の日は、忘れ物がないかをしっかり確認させてから下校するように指導しています。忘れたり持ち帰りきれなかったりすると、保護者の方に学校まで取りに来ていただくことになるため、荷物の持ち帰りは夏休みスタートの2週間前から計画的に行っています。
最近はタブレット端末など重いものが増えたので、時間をかけて少しずつ持ち帰らせるようにしています。
ただ、以前と少しずつ変わってきているのは、何でもかんでも持って帰らせるのではなく、学校に置いたままでもよいものはそのままにするという流れです。
例えば、重たいお道具箱は無理に持って帰らなくてもよいことにし、その代わり、のりやクレヨンなど足りなくなりそうなものだけを補充するようにします。
このように変化してきた理由は、子どもが持って帰るには重いので荷物を減らしてあげたいという思いと、一度持って帰ってしまうとなかなか学校に持ってこない子がいるからです(笑)。
DX化が進んでも……先生たちが「夏休みも忙しい」ワケ
実は、少し前までは、終業式が終わって子どもたちが下校したら半休をとって帰る先生もたくさんいました。しかし今は、私も含めて早く帰るという方はほとんどいません。それくらい夏休み中の業務が多いのだと思います。
例えば、秋以降の遠足や修学旅行などの下見も夏休みの間に行きます。行き先の施設はもちろん、ルートやトイレの場所なども細かくチェックしに行きます。
また、1学期の週案(1週間の学習計画)を管理職に提出して、学習の進み具合を確認します。大体1年間の学習の3分の1が終わっているかを確認するためです。
それから、冒頭でも少し触れましたが、日直の先生は校区内の巡視を行います。
校区にある公園や、子どもたちが立ち寄りそうなお店・ゲームセンターなどを周ります。子どもたちが危険な遊びをしていないか、また、地域に迷惑をおかけしていないかをチェックするためです。
以前だったら公園で会うと「不審者や交通事故に気を付けて遊んでね」などと声をかけていたのですが、近年の夏休みは猛暑が続いているので、子どもたちを外で見かけることはかなり減りました。
こんな感じで、先生たちは終業式の午後から始業式の前日まで、2学期の授業や行事の準備をしていることが多いです。夏休み明けに子どもたちに会えるのを楽しみにしながら働いています。
松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。新刊『がっこうとコロナ』(教育報道出版社)など著書多数。Voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。
この記事の執筆者: 大塚 ようこ
フリーランス編集・ライター。子育てや教育、夫婦問題、ジェンダーなどを中心に幅広いテーマで取材・執筆を行っている。












