Daiichi Life Group Presents BLACK SAMURAI KOBE CAMP
米プロバスケットボール(NBA)クリッパーズの八村塁が主催するバスケクリニック「Daiichi Life Group Presents BLACK SAMURAI KOBE CAMP」の最終日が5日、神戸市のGLION ARENA KOBEで行われた。2日間にわたって約100人の中高生を指導したのは、NBA屈指の現役コーチであるフィル・ハンディ氏。レブロン・ジェームズやカイリー・アービングらも教えてきた名コーチだが、中高生たちに強く求めたのは“当たり前”の徹底だった。
NBAマーベリックスでアシスタントコーチを務めるハンディ氏は、汗だくになりながら中高生と向き合った。「派手なムーブではなく、動き方を教える」という言葉通り、参加者に課したドリルは基本的なものばかり。しかし、バランスやフットワーク、常に目線を上げること、いつでもシュートを打てる姿勢で構えることなど、一つひとつの動きに意図を持ち、細部にこだわることを求めた。
基礎の徹底はプレー外の姿勢にも及ぶ。「声を出してコミュニケーションをとりなさい」「移動するときは歩かずに走りなさい」「NBAでは1回しか言われない。指示は聞き逃さないように集中しなさい」。クリニック終了時には、「両親に感謝をしよう。部屋の片づけや、お手伝い。そういった小さなことで良い」と、今の環境を与えてくれている親への謝意を行動で伝える大切さも説いた。
その背景には、ハンディ氏が抱く「バスケットボールは人生の土台である」という強い信念があった。スキル以前に、「努力する姿勢を持ち、規律を守り、責任感を持つこと。これらをスポーツから学べば、それ以外の分野でも成功できるようになる」。それこそがスポーツの本質であり、子どもたちの人間性を根本から形作ると考える。声出しや移動の素早さといったコート上の振る舞いは、そのまま生活態度や人生への向き合い方へとつながっている。
その中にはプロの厳しさを知るからこその思いもあった。「実際にプロになれる子どもはほんの一握り」。どれほど熱心に練習に打ち込んでも、全員がプロとして生きられるわけではない。だからこそ、別の道に進んだとしても、役立つ財産を与えたい。もちろんプロでも、日々の姿勢や基礎を大切にしている選手は格が違うと語る。「レブロンを9年間指導したが、彼は一度だって遅刻したことがない。毎日自分のルーティンを徹底してこなす」と、基礎こそが次元の違う選手にしていると断言した。
「スポーツは他の方法では得られない形で人間性を形成してくれる。人生で成功するための最高の手段だ」。彼自身も若き日に学んだという真理は、未来を担う若いアスリートたちへ確実に受け継がれている。コートで培う規律と感謝の心は、子どもたちがどこへ進んでも人生を切り拓いていくための、確かな糧となる。
(THE ANSWER編集部・横田 美咲 / Misa Yokota)












