帰化選手24人が法的措置でリーグと対立
ラグビー元日本代表でニュージーランド出身のティモシー・ラファエレ(34=コベルコ神戸スティーラーズ)が30日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で、代理人の牧野誠司弁護士とともに記者会見した。日本ラグビーリーグワンで来季から施行される新規定「義務教育を日本で6年以上受けていない帰化選手は、国内選手として分類しなくなる」の見直しを主張することが目的。これで出場機会を制限される立場のラファエレは「このルールは屈辱」などと訴えた。
ラファエレは神妙な面持ちで席に座った。記者から「今回の措置は日本代表で28キャップを持つあなたのような選手に対して侮辱的な行為に思うか」と問われ、現在の率直な思いを語った。
「侮辱というよりも屈辱を味わいましたし、悲しみを覚えました。私だけではなく、日本ラグビーのために献身的に活動してきましたので、この措置はないと思いました」
その上で、同様の立場にある外国出身選手と話し合っている状況を語った。
「仲間は『不公平だ』と言っていますし、これまでの貢献を重んじる必要があると考えています。引退を余儀なくされた選手もいますし、難しい局面にあります」
海外出身で日本国籍を取得(帰化)したラグビー選手24人は、リーグワンで来季から導入される選手登録の新制度見直しを求めて4月20日、公正取引委員会への申告と東京地裁に差し止め仮処分の申し立てを行った。現在の規定では、日本代表の資格を持つ帰化選手は日本出身選手と同じ扱いになっている。一方で、来季からは「競技普及のため」に日本出身選手の出場枠を増やし、義務教育を日本で6年以上受けていない帰化選手は別の区分にするとしている。つまり、基準を満たさない選手は国籍に関係なく、出場人数が制限される「外国人選手」として扱われる。
一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン(JRLO)は昨年5月13日、この新規定を発表。現行制度では「日本代表実績あり/資格あり」を基準としていたカテゴリAについて、来季からA-1およびA-2に細分化する方針を定めた。
【A-1】下記1、2のいずれかを満たす者
1.他協会の代表歴がなく、小中学校の義務教育期間9年間のうち、6年間以上を日本で居住した者
2.他協会の代表歴がなく、本人が日本出生、または、両親祖父母のうち1人が日本出生である者(国籍は要件に含まない)。
【A-2】他協会の代表歴がなく、日本協会への継続登録が48か月以上である者(日本代表キャップを30以上持つ選手は「日本代表に多大な貢献をした選手に対する優遇措置」としてA-1に分類)
結果、試合の登録数・同時出場数も変わる。スターター・リザーブ23人の「試合エントリー枠」は現行規定では、カテゴリAが17人以上。新規定では「A-1で14人以上」になる。フィールド上15人の「同時出場枠」も、カテゴリAで11人以上という規定から「A-1で8人以上」となる。
ラファエレは28キャップ。30キャップに満たないため、A-1には分類されない。代理人の牧野弁護士は「私は決して人種差別の意図は感じませんが、代理人の立場としては『選手にとっては良くない措置』と考えています」との認識を示した。
その上で、法的手続きの進行状況については「お互いが主張と証拠を裁判所に出し終えた段階で、裁判所の協力も得ながら話し合いを継続しています」。公正取引委員会については「独自に調査をされている段階」などと説明した。
そして、最後にラファエレが「リーグワンが世界的なリーグを目指すのなら、このルールは見直してほしい」と主張した。18歳で来日し、山梨学院大に入学して以降、16年も日本でプレーを継続。2019年、W杯日本大会にCTBとして日本代表入りした立場から「このルールが(来日)当時からあったのなら、決断は違ったかもしれない。ただ、私は日本で長くプレーしている。もう、日本が故郷だと思っています」と言い、あらためてルール変更で受けた戸惑いと見直しを訴えた。
(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)












