高校サッカーインターハイ
7月25日から福島県で熱戦が繰り広げられた令和8年度の高校男子サッカーインターハイ(総体)は、静岡学園(静岡)の初優勝で幕を閉じた。猛暑による熱中症リスクの軽減を目的に、2024年度から夏場でも比較的涼しい福島県での固定開催。選手からは歓迎の声が上がる一方、夏場の連戦に指導者からは複雑な心境ものぞいた。
福島県での固定開催となって3年目。Jヴィレッジなどを主会場とする現地の気候は、日によって変わった。3回戦が行われた大会3日目までは、各会場の気温が30度以下に抑えられる日もしばしば。涼しい環境での戦いに、静岡学園の選手は「相当ありがたいですね」と言い、笑みをこぼした。
ただ、大会が佳境へ進むにつれて、気温、湿度ともに上がった。準決勝の2試合は、いずれも気温30度超、湿度60%超というコンディション。昼の12時30分キックオフだった決勝戦は厳しい日差しが照り付け、公式記録では34度と記された。じっとしていても汗が吹き出てくる暑さに、体調不良を訴える観客も。冷涼な福島県とはいえ、暑さと無縁ではない。
インターハイのサッカー競技は、男女とも35分ハーフで実施。気温や暑さ指数に応じて、前後半の途中にクーリングブレイクや飲水タイムが設けられる。ただ、夏場の連戦が選手への負担になることは変わらない。強豪校の監督は「選手としても、チームとしても、あまりメリットがない」と持論を述べ、こう本音も漏らす。
「(2連戦して、1日休養日を挟む)夏場の連戦をなんとかしなきゃいけない。選手にとってはすごく過酷な大会。日程的に問題があるのであれば、チーム数を減らせばいい。選手ファーストじゃないんですよね。選手ファーストでやらないと、日本サッカーの底上げはできないと思っている」
選手にとっては、全国の晴れ舞台。だが、疲労困憊で戦えば当然、怪我のリスクにもつながる。実際、脚にテーピングを巻き満身創痍でピッチに立つ選手もいた。試合が終われば氷を入れたビニール袋を脚に巻き付けて、コンディション回復に努める。夏場に連戦を戦うインターハイならではの過酷さを物語る光景だった。
前出の監督からは「(インターハイの)女子サッカーみたいに夕方からやる方式なども考えていかないと」との声もあがる。女子はやはり涼しい気候である北海道旭川市で開催。ただ、2回戦以降の試合は夕方4時、または6時台のキックオフに設定されている。一方で、男子の場合は午前9時半と昼の12時半。現行フォーマットには様々な思いが入り混じる。
地球温暖化による気温上昇で、夏場の暑さが問題視される。今年のインターハイでは滋賀県開催だった陸上競技のすべての種目が、午後5時以降に実施されるナイター方式が採られるなど猛暑対策へ変革が進む。来年も福島での開催となる男子サッカーのインターハイだが、難題との睨み合いは続きそうだ。
(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)












