高校サッカーインターハイ準決勝
全国高校サッカーインターハイ(総体)は7月31日、男子サッカーの準決勝が福島県で行われ、近大附属(大阪1)が滝川第二(兵庫)との0-0からのPK戦を4-3で制し、同校史上初の決勝進出を決めた。3年生守護神、興山俊士は持ち前の明るいキャラクターでチームの応援隊隊長も務める存在。誰よりも声を響かせチームを支えている。
試合前の集合写真で、ひと際甲高い声が響き渡る。声の主は守護神の興山。副キャプテンながら、主将の藤川澄生(3年)に負けじと存在感は抜群だ。決めフレーズがあるのかと問えば「ありますね」と頷く。「全力に悔いなしとか、今年のキャッチフレーズは共鳴なんですけど、『共鳴して勝ちましょう』っていう部分は言っています」と笑う。
プレーは堂々たるものでピンチにも動じない。後半16分、自陣ゴール前での連係ミスから相手ボールに。興山が飛び出した無人のゴールへシュートを打たれたが、必死に戻って間一髪でボールをかき出した。「練習の賜物が今日は出たんかな」と振り返った守護神は接戦となったPK戦を制すと、ピッチ上で破顔した。
小学3年生でサッカーを始めた時からGK一筋。「ボールを止めるのが楽しい」と魅力を感じ、ガンバ大阪ジュニア、ヴィッセル神戸伊丹U-15を経て、近大附属へ。「文武両道を掲げていて、学業もサッカーも頑張れる」環境に惹かれた。身長177センチと上背があるほうではないが、体型はがっちりとしている。「筋トレには力を入れています」と、その武器を活かしながらゴールマウスを守る。
「応援がめっちゃ好き」という興山。実はサッカー部内の応援隊隊長も務める。部員約200名を誇る近大附属サッカー部には規律を守る規律隊や怪我の管理をするメディカル隊、補食の管理をする補食隊など、様々な組織が存在する。応援隊隊長に立候補した経緯については「学年で一番声がデカくて、キャラ的にも一番似合っているかなと思って」と明かす。
応援の有難みを実感した中学3年の大怪我
興山は中学3年時、左肘の靭帯を断裂する大怪我を経験。メンバー外になった当時「ピッチに立ちたいって思いながらも、チームを応援しなあかんなっていう、複雑な思いを抱えていた」中で、声で十分にサポートしきれなかった。だが、高校で先発に定着するようになると、応援の有難みを実感する。
「応援隊隊長としてスタメンで出ている僕ですけども、やっぱり応援は一番大事かなって。去年のプリンスリーグとかホーム開催の試合は基本的に全校応援でやっていて、応援の部分に助けてもらってる部分があった。応援っていう部分は自分でもより良いものにしていけたらなと思っています」
インターハイでは福島までサッカー部員が大挙して集結。スタンドでは今大会出場校の中で最大規模の応援風景が広がる。興山は「(準々決勝の)日章学園戦後に10時間かけて大阪へ帰って、もう1回、昨日夜10時に出発して、10時間ぐらいかけてここに来て応援してくれている。やっぱりその感謝の気持ちっていうのを忘れずにやっていきたいですね」と献身的なサポートに思わず胸を熱くする。
チームのために動く意識は欠かさない。「目配り、気配りっていうところに重点を置いている。キーパーって誰よりも信頼されないといけない。そこは意識して日頃からやっていました」と興山。その人間性を寺師悠斗監督も称える。「彼は本当に誰よりもチームのことをやります。練習も1番最初に出てきて、片付けもやって有難い。そういう選手が結果を残してるっていうのは、僕にとってはすごく嬉しいです」
史上初の全国制覇まであと1勝。福島の地で快進撃を続けてきた近大附属サッカー部に、興山俊士はなくてはならない存在として輝きを放っている。
(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)












