ハンドボール国際親善試合
ハンドボールの国際親善試合が4日、東京・有明アリーナで行われ、ジークスター東京がフランスの強豪パリ・サンジェルマン(PSG)に31-41と敗れた。信太弘樹新監督(37)の初陣となったジークは序盤から大量リードを許す苦しい展開。悲願のリーグH制覇に向けて、課題の残るスタートを切った。
力の差は圧倒的だった。昨年12得点されたフランス代表のプランディらに次々とゴールを決められ、15分までに5-14と9点差をつけられた。相手の堅守を崩せず、中途半端にボールを失って速攻から失点。昨年35-36と1点差まで追い詰めた相手に、自在な攻撃を許した。
その後は相手がメンバーを入れ替えたこともあって食らいついたが、前半は14-22で折り返し。最終的にも10点差の大敗と序盤許したリードをつめることはできなかった。「出だしで大差をつけられたことが、すべてだった」と信太監督は悔しそうに試合を振り返った。
ジークにとっては、難しい試合だった。昨季まで3シーズン指揮をとった佐藤智仁監督が退任し、信太新監督のもとで生まれ変わったチーム。PSG戦まで準備期間があり、十分に対策を練って勝ちに行った昨年に比べ、今年は新チームの始動以来わずか2週間の準備で臨んだ。「2週間という中、まずはチーム、個人がやるべきことに集中することを徹底した」と信太監督。まだまだチーム作りの途上だった。
もちろん、収穫もあった。「後半はいい戦いができていた。セットのディフェンスには手ごたえを感じているし、ディフェンス面は悪くなかった」と信太監督。今季新たに主将に就任したRW元木博紀も「守備はよかった」と話した。
新戦力の躍動もあった。豊田合成名古屋から移籍したLB水町孝太郎がエースのLB部井久アダム勇樹らに並ぶチーム最多タイの5得点。「チームと合わせる時間は少なかったけれど、自分の力は存分に出せた」と手ごたえを口にした。
18年に「東京から世界へ」を目標に創設され、20年から日本リーグ(現リーグH)に参入したジークだが、日本一への道は険しい。昨年は日本選手権こそ初の決勝進出(準優勝)を果たしたが、リーグHはプレーオフ準決勝で敗退。新体制となっても、日本一という目標は変わらない。
新シーズンに向けての準備は始まったばかり。リーグH開幕の10月12日までは2か月以上ある。ただ、9月に行われる愛知・名古屋アジア大会の日本代表に水町や部井久ら最多6人が招集され、チームとして合わせる時間は決して多くない。
「チーム戦術をさらに高め、勝てるようにしたい」と元木主将は話したが、その元木も部井久もチーム作りに関して「時間はかかるかもしれない」と話した。新体制となっても、日本一への道のりは簡単ではない。
新チーム始動のスタート段階でリーグ12連覇とフランス国内では圧倒的強さを見せる強豪PSGとの対戦は「いい経験になった。これを、新しいーズンにつなげていきたい」と信太監督。悲願のリーグ制覇へ、ジークスター東京の挑戦が今年も始まる。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)
荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。












