民主党議員らがFIFAの指導部を標的に
下院司法委員会の筆頭委員ジェイミー・ラスキン議員は、FIFAとトランプ政権のつながりを解明するため、インファンティーノ会長に議事録を残す聴取への出席を正式に要請した。これは、ワールドカップ前後に起きた物議を醸す出来事、特にインファンティーノ会長がドナルド・トランプ氏に新設の「FIFA平和賞」を授与することを決めた件を受けてのものだ。
『The Athletic』によると、調査はFIFAの米国での活動、特にマンハッタンのトランプ・タワー17階のオフィス賃貸契約にも及んでいる。FIFAは市場相場の賃料を支払っていると主張するが、ラスキン議員は同スペースの年間賃料は通常60万ドルに達する可能性があると指摘した。
さらにラスキン議員は、FIFAのマイアミとニューヨーク事務所の来訪者記録提出も要求。FIFA職員とトランプ政権関係者のやり取りも調査対象だ。
政治的介入と中立性に関する疑惑
委員会が注目するのは、W杯で米国代表バログンが出場停止となった件だ。トランプ前大統領がインファンティーノ会長に電話し、レッドカードの見直しを要請。FIFAはその後、バログンがノックアウトステージに出場できると発表した。FIFAは「独立判断」と主張するが、世界から批判された。
欧州の議員70人以上も加わり、FIFAの政治的中立性を調べるよう求めている。ラスキン議員は書簡で、FIFAの対応が「トランプ政権に有利な決定をさせる狙いがある」と指摘。2015年の汚職スキャンダルで司法省が起訴を取り下げた経緯にも疑問を投げかけている。
チケット販売をめぐる不祥事と消費者保護
下院委員会は、ニューヨーク、ニュージャージー、テキサス、カリフォルニアの司法長官が批判するFIFAのチケット販売方針を調査している。
ラスキン氏は、FIFAが特権的な立場を利用し、違法な価格つり上げや不正な販売手法で「消費者から法外な金を巻き上げている」と主張した。同書簡では、当初の招致提案で決勝戦チケットの最高価格を1,550ドルと約束していたにもかかわらず、一部の席が最終的に約3万3,000ドルで販売されたと指摘している。
議員たちは、一般向け販売後に高価格帯席を追加した点にも懸念を示す。ラスキン氏は「チケット購入後でも、FIFAは裁量で劣悪席へ移動させることがある。これは違法で消費者を害する」と指摘した。
アメリカにおけるFIFAの将来
ホワイトハウスは声明で調査に反論し、イングル報道官はラスキン氏を「愚か者が考える賢い人」と一蹴した。政権側は2026年W杯が数十億の収益を上げ、ファンにスムーズな体験を提供した歴史的成功だと主張した。
調査に詳しい民主党関係者は、中間選挙で民主党が下院を奪還すれば、召喚権を伴う正式調査に発展する可能性があると警告した。
この対立は、米国が共催予定の2031年女子ワールドカップを控えるFIFAにとって警鐘だ。政権が交代すれば、FIFAは運営と倫理でより厳しい監視に直面する恐れがある。委員会はFIFAに対し、要求記録の提出期限を2026年8月9日に設定している。












