コルデイロが提案をめぐって辞任
FIFAの上級顧問コルデイロ氏が、インファンティーノ会長のワールドカップ商業化計画への抗議として、役職を劇的に辞任した。かつてゴールドマン・サックスの銀行員だった同氏は、以前にはホワイトハウスのタスクフォースで世界サッカー統括機関の代表も務めていたが、民間投資家に20%の持ち分を売却して200億ドル規模の商業子会社を設立する提案を強く拒否した。コルデイロ氏は、サッカー界で最も価値の高い資産を手放すこの動きを、根本的な誤りとみなしていた。
元顧問が警鐘を鳴らす
辞任声明の中でコルデイロ氏は、ワールドカップの持ち分売却計画が進んでいくのを傍観することはできないと強調した。「FIFAがワールドカップの持ち分売却を検討している中で、黙って見ていることはできない」
元米国サッカー連盟会長は、200億ドル規模の商業子会社案について公に距離を置き、これを直接非難した。「はっきりさせておきたい。私はこの提案に一切関与しておらず、断固として反対する」
さらにこの商業化スキームを「サッカーにとって悪い取引だ」と断じた。
コルデイロ氏は、自身の銀行業界での経歴によって、このような決定が長期的に持つ危険性を明確に理解していると強調した。「サッカーは私の人生の中心にある。そして銀行業界で35年以上を過ごしてきたことで、私はこの資産の価値と、その一部を手放すことの結果の両方を理解している。だからこそ、この提案は拒否されるべきだ」
財政的な正当性に大きな疑問
インファンティーノ会長の構想は、男子W杯、女子W杯、さらにクラブW杯を運営する商業子会社の持ち分を、ニューヨークに拠点を置く投資会社に売却するというものだ。
コルデイロ氏は、この動きに財務面での切迫性があるのか疑問を呈し、FIFAが直近の4年間のサイクルで150億ドルの収益を生み出した点を指摘した。「FIFAはすでに並外れた財源を利用できる。組織は数十億ドルの準備金を保有しており、負債もない」
同氏はまた、資金調達のために恒久的な所有権を手放すことには論理的な根拠が欠けていると警鐘を鳴らした。「そうした状況を踏まえると、42億ドルを調達するために、フットボールで最も価値のある資産の恒久的な持ち分を売却することには、ほとんど意味がない。これは、説得力のある正当化もないまま、フットボールの未来を担保に入れるようなものだ」
インファンティーノ会長とともにFIFAで過ごした5年間を振り返り、コルデイロ氏は、自身の周囲には「この競技を深く思う、献身的で信念ある人々」がいたと述べた。
同氏は最後に、FIFAの幹部職員たちにこの計画への反対の声を上げるよう呼びかけ、声明を締めくくった。「彼らもまた声を上げてくれることを願っている。これほど重大な決定は、そこから利益を得る人々ではなく、フットボールの利益のために下されるべきだからだ」
インファンティーノに政治的圧力がかかる
コルデイロの辞任は、今後の総会議題を前に、インファンティーノ会長の指導体制に大きな政治的圧力の波を生み出している。現職はこれまで、来年3月の再選に無投票で臨むと見られていたが、今回の展開によって、11月18日の締め切りを前に対抗馬が現れる可能性がある。
サッカーの商業化をめぐる批判が強まるなか、FIFAはいま、組織内部の透明性を試されている。












