【サッカー Jリーグ ニュース】J3ロアッソ熊本でコールリーダーを務める杉浦貴羅(たから)さんが、開幕戦を戦ったチームへの想いを語った。
■「何かしないといけない」と被災地へ
先月28日に発生した最大震度7の令和8年熊本地震の影響を受けたロアッソ熊本。今月2日に予定されていた天皇杯の県代表決定戦は中止となり、5日に再開されるまで全体トレーニングもできない状態が続いていた。
それでも、9日に神奈川県の相模原ギオンスタジアムで行われた2026/27シーズン明治安田J3リーグの開幕戦で、熊本はSC相模原に0-0で引き分けた。困難な状況のなかでも、最後まで戦い抜いた。
杉浦さんは「チームが練習をやれていないのも知っていた。クラブのGMは(練習中断を)言い訳にしかならないと言っていたけれど、選手たちから戦う姿は伝わった。俺たちも、もっとやらないといけないと思いました」とゴール裏から声援を送り続けた。
21歳の杉浦さんは小学生のころから熊本のファンで、昨季からゴール裏でサポーターたちをまとめて、選手たちを後押しするコールリーダーの大役を担っている。この日は熊本がシュート14本を浴びる苦しい展開だったが、昨季J3降格の屈辱を味わったチームに対して、最後まで声をからして応援し続けた。
また、地震発生後は自身のXで「熊本の皆様、何かお力になれる事ありましたら、いつでも連絡ください!」と呼びかけ。熊本市にある杉浦さんの自宅付近の被害は少なかったが、「10年前の熊本地震のときは小学生で、できることは少なかったんです。だけど、いまはできることがある状態で、この歳になった。何かしないといけない、という気持ちになりました」と地震の2日後から、被害の大きかった八代市などへボランティアに駆けつけた。
再びXで「地震による車の傷、凹み、その他車に関する保険、故障、バッテリー上がり相談県内どこでも対応できます」とポスト。災害直後の被災地に出向くことに賛否があるとも理解していたが、家の片付けや家具などの廃棄も手伝うなかで、「相当悲惨な状況でした。いろいろな意見がありますし、正解は分かりませんが、現地の人たちの顔を見たら、行って良かったと思った」。
ボランティアに参加する熊本の選手たちを見て…
また、被災地のボランティアには、ロアッソ熊本の選手たちも参加していた。地震の影響によって練習が中止となっていたなか、複数の選手たちがクラブ外の活動として、自主的に一日でも早い復興の一助になりたいと願った。その姿を間近で見ていた杉浦さんは胸を打たれたという。
「練習ができてないなかで、熊本出身じゃない選手も一緒に手伝ってくれました。ロアッソの選手の顔は地元の人たちなら分かるので、苦しいなかでも笑顔になってくれていた。選手たちが勇気づけているんだなと思いましたし、こういう選手がプレーして、勝っている姿を被災地に届ける意味があると思いました」
ロアッソ熊本の選手たちが持つ力を改めて感じた。
「感謝しかなかったです。この選手たちとJ2に上がりたい」
次節は、15日に熊本県のえがお健康スタジアムで栃木SCと対戦。これが今季のホーム開幕戦となる。熊本の選手・スタッフたちが「パワーを届けたい」と試合に向けて意気込むなか、杉浦さんもコールリーダーとして同じ気持ちで戦う。
「俺たちも、選手たちをもう一押ししたい。そして熊本のみなさんに勝った試合を観てほしいです。勝利の喜びを一緒に感じてほしいというか、そういったことでも勇気や希望が生まれると思うんです。ロアッソの試合で笑顔になってほしい」
熊本は一丸となる。
取材・文=浅野凜太郎












