[ソウル 29日 ロイター] - 韓国の半導体大手SKハイニックスが29日発表した第2・四半期(4─6月)決算は、営業利益が前年同期比557%増加し過去最高を記録した。人工知能(AI)ブームで膨らんだ市場の高い期待には届かず、同社はメモリー業界特有の需要変動を吸収するため、長期供給契約の確保を急いでいる。
営業利益は60兆5000億ウォン(416億2000万ドル)で、前年同期の9兆2000億ウォンから急増。LSEGがまとめたアナリスト予想の64兆ウォンには届かなかった。売上高は257%増の79兆3000億ウォンだった。
純利益は13倍超の93兆9000億ウォンに増加。投資資産関連の利益63兆3000億ウォンが寄与したが、詳細は明らかにしなかった。
29日のソウル株式市場で同社の株価は、予想を下回る決算を嫌気し10%急落した。テクノロジー企業によるAI関連の積極的な投資が持続可能かどうかについて、投資家の警戒感が強まった。
BNK投資証券のアナリスト、イ・ミンヒ氏は「テクノロジー企業がインフラ投資を一服させるとの懸念がある」と指摘。アナリストによると、同社が株主還元強化を通じてAIブームの恩恵を分配する具体的な計画を示さなかったことも、投資家心理を一段と冷やした。
ただ、同社はメモリー半導体の需要が引き続き堅調だと強調した。宋賢鐘社長は決算説明会で「主要顧客はさらなるメモリー供給を求め続けている」と述べ、価格変動をより適切に管理するため長期供給契約の拡大を目指していると話した。
マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズといった「ハイパースケーラー」による大規模AIインフラ投資計画の資金調達に対する懸念が、ここ数週間は世界的な半導体株の重しとなっている。
<AI需要は引き続き堅調>
こうした懸念にもかかわらず、SKハイニックスはAI関連のメモリー需要について楽観的な見方を示し、大手テクノロジー企業がAIインフラへの投資を拡大し続けていると説明。「これらの投資はAIサービスから得られる収益によって支えられており、メモリー需要の勢いは持続する見込みだ」と述べた。
将来の需要への自信を反映し、半導体生産能力を拡大するため今年の設備投資を2025年の30兆1730億ウォンから40兆ウォン台後半の水準に引き上げる方針を示した。
一方、利益がアナリスト予想を下回った背景には、競合他社に比べて広帯域メモリー(HBM)への依存度が高く、HBMの価格上昇が従来型メモリー半導体を下回ったことがある。
市場調査会社トレンドフォースのデータによると、第2・四半期の一部DRAM半導体の契約価格は前四半期比で約52%上昇し、一部のNAND製品の価格は倍増した。
メリッツ証券のシニアアナリスト、キム・ソヌ氏は、日本のメモリー大手キオクシアの株式売却が先月完了したことを受け、SKハイニックスが累積投資利益を計上したと推定した。同社は18年、米ベインキャピタル主導の日米韓の投資家によるコンソーシアムを通じ、2つの特別目的会社を介してキオクシアに約4兆ウォンを投資していた。
堅調な業績を追い風に、同社の純現金残高は6月末時点で88兆ウォンに達した。顧客需要への対応力と事業運営の安定性を高めるため、これを100兆ウォン超に増やすことを目指している。
キム氏は、同社の現金残高が長期目標に近づく中で、投資家はその資金の使途に一段と注目していると指摘した。SKハイニックスは、株主還元策の時期、規模、内容の詳細は現時点で示せないとしつつ、年内に計画を開示する方針を明らかにした。
現代自動車証券のリサーチ責任者、グレッグ・ロー氏は「SKは投資家心理を好転させるため、具体的な株主還元策を打ち出す必要がある」と述べた。












