Siddhi Mahatole Sarah Morland Tom Polansek
[27日 ロイター] - 米国で感染が拡大している寄生虫疾患「サイクロスポラ症」を巡り、複数の大手小売業者や外食チェーンが、汚染への懸念からメキシコ中部産の農産物の調達を停止していることが分かった。米食品医薬品局(FDA)前長官のスコット・ゴットリーブ氏が27日、CNBCで明らかにした。
FDAの調査では、激しい下痢や腹痛を伴うサイクロスポラ症拡大の一因として、米タコベルで提供されたアイスバーグレタスが浮上している。このレタスは非公開企業テイラー・ファームズのメキシコ中部の拠点から供給されていた。一方、保健当局は感染源となった可能性のある他の農産物についても調査を続けている。
ゴットリーブ氏は、メキシコ中部産のパセリやパクチー(シラントロ)が関連している可能性のある感染集団が五大湖地域やニューヨーク州、ノースカロライナ州などで確認されていると説明。ただし感染源はまだ特定されていないという。
同氏は「多くの関係者が(メキシコ中部を)問題の地域だと考えている。そこで生産された農産物の多くがサプライチェーンから外されつつある」と述べた。
ただ、どの企業が調達停止に踏み切ったかについては明らかにしていない。ロイターは小売業者による具体的な対応を確認できなかった。
また同氏は、豪雨などの気象条件が汚染リスクを高めた可能性を指摘。洪水や下水路の決壊、灌漑(かんがい)用水の汚染、農場労働者向け仮設トイレのあふれなどにより、生産地が汚染された恐れがあるとの見方を示すとともに「メキシコ中部で何らかの事象が起き、多くの農地が汚染された事態があり得るが、原因はまだ判明していない」と付け加えた。
テイラー・ファームズは感染源に関する疑念が浮上した段階で、メキシコ中部の施設での全製品の生産を自主的に停止し、関連商品の市場回収を実施したとしている。
FDAは同社が協議の結果として対象農産物の市場撤去に同意したと明かした。一方事情に詳しい関係者の話では、同社はFDAが示した24時間以内の自主対応判断期限には間に合わなかったという。
米疾病対策センター(CDC)によると、今回の流行ではこれまでに4173人の感染が検査で確認されたほか、7400人超の感染疑い例が報告されている。
ゴットリーブ氏は、実際の感染者数は報告数の10-20倍に達してもおかしくないと言及した上で「サイクロスポラ症としては過去最大規模の流行だ」との認識を示した。
ミシガン州は27日、感染者が新たに1077人増えて9253人になったと報告した。地元保健当局はテイラー・ファームズのレタス以外にも感染源となっている食品が存在する可能性があるとみている。
メキシコの農業業界や専門家は、最終的な調査結果を待つべきだとして慎重な対応を呼びかけている。
テイラー・ファームズの農場では認証済みの自社井戸水を灌漑に使用しており、労働者の健康上の問題も確認されておらず、水やレタスのサンプル検査ではサイクロスポラは検出されなかったというのがメキシコ当局の説明だ。
メキシコは年間約55万トンのレタスを生産し、その半分が輸出向けで、出荷先はほぼ米国。国内生産量の約75%は中部・北部の5州に集中しており、テイラー・ファームズの主要拠点があるグアナファト州が28%を占める最大の産地となっている。
農業コンサルティング会社GCMAのフアンカルロス・アナヤ代表は「レタスからサイクロスポラが検出されていないことや、メキシコ国内で確認された患者が少数にとどまっていることは意外だ。メキシコでも同じレタスを食べている」と指摘した。












