Dietrich Knauth
[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は27日、同社のベビーパウダーなどのタルク(滑石)製品が卵巣がんを引き起こしたとする数万件の訴訟を巡り、推定55億ドルを支払う和解を発表した。10年にわたる係争に終止符を打つことを目指した画期的な和解となる。
J&Jによると、和解の対象はニュージャージー州連邦裁判所で併合されている案件を含む約7万6000件の請求と州裁判所の関連訴訟で、同社に対する残るタルク関連請求のほぼ全てに相当する。同社はこれまで、タルクにアスベストが含まれ中皮腫を引き起こしたとする訴訟の大半についても和解している。
原告側の法律事務所も和解を確認し、10年に及ぶ法廷闘争を経た適切な解決だと述べた。和解の最終確定には、州または連邦裁判所に卵巣がん被害を訴えた原告の95%による受け入れが必要となる。
J&Jのエリック・ハース訴訟担当バイスプレジデントは、原告側の主張には「根拠がない」としつつも、決着をつけるために和解に応じる意向だとした。
「これまでに審理された大多数の訴訟で勝訴してきたように、訴訟を続ければ最終的には当社が勝利すると確信しているが、今回の解決により当社はこの問題を過去のものとし、命を救う医薬品や医療機器の開発という使命に引き続き専念できる」と語った。
J&Jは2027年に30億ドルを支払い、28年に追加の支払いを行う予定。ただ、和解への参加者数次第で、支払総額が膨らむ可能性もある。原告約2500人の代理人を務める弁護士は、支払い額が最終的に70億ドル以上に達する可能性があると指摘した。
J&Jは長年、自社のタルク製品ががんを引き起こしたことを否定し、タルクは安全でアスベストを含まないと主張してきた。20年に米国でタルクを使ったベビーパウダーの販売を停止し、コーンスターチを使った製品に切り替えた。
同社は傘下子会社の破産申請を通じて訴訟を解決しようと繰り返し試みたが失敗に終わり、3年余り中断していた訴訟が25年3月に再開されていた。












