Nichola Groom
[4日 ロイター] - トランプ米政権が太陽光パネルや半導体の主要原材料となるポリシリコンと関連製品について、最低輸入価格制度の導入と関税を組み合わせた新たな輸入規制を準備している。事情に詳しい4人の関係者が明らかにした。今月中にも発表される見通しで、中国との人工知能(AI)やエネルギー分野を巡る競争の一環として、国内産業の保護を狙う。
対象となるのは米ヘムロック・セミコンダクターやドイツのワッカー・ケミーが米国内で運営するポリシリコン工場。中国企業のサプライチェーン(供給網)支配拡大に対抗し、国内生産基盤の維持したい考えだ。
こうした措置は、商務省が通商拡大法232条に基づいて進めてきた国家安全保障上の調査の結果を踏まえたもの。232条は、輸入品が国家安全保障上の脅威と認定された場合、大統領に輸入制限措置を認めている。
関係者の話では、政権は輸入品に最低価格を設定した上で関税も課す「ハイブリッド方式」を検討している。米シンクタンク「民主主義防衛財団」のクレイグ・シングルトン上級研究員は、中国が補助金や過剰生産によってポリシリコン市場を支配してきたと指摘した上で「最低価格制度と関税の組み合わせは米メーカーの存続余地を広げる可能性がある」と評価した。
ホワイトハウスの高官はコメントせず、商務省はコメント要請に回答していない。在米中国大使館は「米国は232条措置を速やかに停止し、対等な対話で懸念を解決すべきだ」と反発した。
ポリシリコンは超高純度のシリコンで、半導体や太陽光発電製品の製造に不可欠な素材。半導体向け需要は世界需要全体の約2.4%にとどまる一方、太陽光産業向け需要が大半を占める。このため太陽光産業の市場規模の大きさが、半導体向け素材の安定供給につながる構図となる。
日本の東洋は米南部テキサス州ヒューストン近郊で太陽光パネル工場を運営しており、さらに3億5700万ドルを投じて太陽電池工場を建設する計画。同社のローン・レッシュ最高戦略責任者は「半導体産業も実際には太陽光産業を必要としている」と語った。
関係者2人によると、商務省案には、米国内でウエハーや太陽電池の生産に投資する輸入業者について、規制による追加負担を相殺できる仕組みも盛り込まれる見通し。米国の太陽光製造業は、議会が2022年に税制優遇措置を創設して以降、拡大してきた。ただ生産能力の増加は主としてパネル組み立て工程に集中し、多くの企業は依然として輸入ウエハーや太陽電池に依存している。
関税強化によるコスト上昇を懸念する声もある。太陽光発電事業者や半導体購入企業の業界団体は、関税が太陽光発電所の建設費や家電、自動車などの価格上昇につながる恐れがあると警告する。
米太陽光パネルメーカーのヘリエンを率いるマーティン・ポチャルク最高経営責任者(CEO)は「コストが高くなり過ぎれば、計画中の案件が中止される可能性がある」と指摘。半導体を主眼とした調査に太陽光産業が巻き込まれているとして「巻き添え被害だ」と懸念を示した。












