Yoshifumi Takemoto
[東京 24日 ロイター] - 内閣府は24日、日本経済の現状と展望について総括する年次経済財政報告(経済財政白書)を公表し、中東情勢の緊迫化を受けた原油価格上昇の影響などについて多角的に分析した。過去の同様の原油上昇局面に比べて価格転嫁の動きが加速していると指摘。日本経済の潜在的な成長力との乖離を示すGDP(国内総生産)ギャップは、ゼロ近傍で推移しており、中東情勢で下押しされる可能性についても注視している。
白書ではウクライナ戦争の開始により原油価格が上昇した2022年前後の物価上昇時に比べて「素材・加工業種、大企業・中小企業ともに価格転嫁のスピードが速まっている可能性」を指摘した。根拠として日銀短観で「大企業の素材業種において、仕入価格判断DIが大幅に上昇し、販売価格判断DIも仕入価格判断DIほどではないが、大きく上昇した」ことを挙げている。「2021年ごろの物価上昇局面と比べても、両DIが今回大きく上昇しており、企業の価格転嫁姿勢が積極化している可能性がある」。特に「原油価格等の上昇による直接的な影響を受けやすい石油・石炭、化学、紙パルプで、両DIの顕著な上昇がみられた」という。
同時に内閣府の消費動向調査に基づく家計の物価見通しなどを列挙し、3-5年先の企業の物価予想、債券市場の取引に基づく物価予想(BEI)など中長期的な予想インフレ率が「2022年以降、継続的な上昇傾向にある」と指摘。「原油価格が大幅に上昇したことなどで、日頃よく購入する品目の価格上昇を予想する割合が高まった」と推察している。
日本経済がデフレ状態から完全脱却したかを政府が判断するにあたり重要視している4つの経済指標(消費者物価指数、GDPデフレーター、GDPギャップ、単位労働費用上昇率)に関し、3指標はプラス基調にあるものの、GDPギャップのみいまだゼロ近傍で推移していると指摘。「中東情勢の影響により、実体経済がどの程度押し下げられるのか見極めていく必要がある」としている。












