[6日 ロイター] - 米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は6日、人工知能(AI)向け半導体を開発する新興企業ターラス(Taalas)を買収すると発表した。買収額は非公表。急成長するAI推論市場への対応を強化する狙いがある。
カナダ・トロントに本拠を置くターラスは、学習済みのAIモデルが回答や予測を生成する推論処理向けに、計算能力やメモリーのボトルネックを低減する専用半導体を開発している。
AIの活用がモデルの学習段階から実運用段階へ移行する中、推論向け半導体が半導体メーカー各社の重点分野になり、各社は処理効率の向上や運用コストの削減を競っている。
競合する米エヌビディアは今年3月、推論向け半導体の新興企業グロックの技術を活用した新たなCPU(中央演算処理装置)とAIシステムを発表した。
AMDはターラスの技術を自社のアクセラレーター(AI専用半導体)製品計画に組み込み、「インスティンクト」GPU(画像処理半導体)を活用したAIシステム全体を開発する方針だ。
同社の人工知能グループ担当シニアバイスプレジデント、バムシ・ボッパナ氏は声明で「AMDはあらゆるAIが行う仕事や処理に対し、適切な計算ソリューションを柔軟に展開できるフルスタックAIプラットフォーム(半導体・ソフトウエア・開発ツール・システム一式をそろえた環境)を構築している」と述べた。
また、ターラスの技術やエンジニアリングチームが、推論分野における性能と効率性の差別化を通じてAMDのAI事業を強化すると説明した。
ターラスは2023年に設立され、26年2月にはAIモデル向け最適化半導体の開発資金として1億6900万ドルを調達しており、累計調達額は約2億1900万ドルに達している。
AMDは近年、買収を通じてAI事業を拡大。25年11月には高速推論技術を手掛けるAIソフトウエア新興企業MK1の買収を発表したほか、今年6月にはMEXTを買収し、7月にはファストフローLMを人工知能グループに加えるなど、AI関連の事業基盤拡充を進めている。












