John Irish Jonathan Saul
[29日 ロイター] - イランが中国から携行式防空ミサイル発射機を最大400基調達する契約を結び、数週間以内に初回分の引き渡しを受ける見通しであることが関係者3人の話で分かった。
契約額は6000万─7000万ドルで、米国、イスラエルとの戦争開始以降、イランが短距離防空能力の強化に向けて進めてきた取り組みとしては、判明している中で最大級となる。
関係者によると、契約は携行式防空ミサイルシステム(MANPADS)300─400基の購入を対象とし、中国製ミサイル「QW12」と「FN16」が含まれる。
契約は香港に拠点を置く中青宝上国際投資との間で締結された。同社はイラン側と中国の供給業者の仲介役を務めているという。
<防空能力強化が必要>
イラン外務省はコメントの要請に応じていない。中国外務省は「関連する報道は全く事実無根だ。中国は一貫して和平の促進と紛争の終結に向けた役割を果たしてきた」と述べた。
米国とイスラエルは数カ月にわたってイランのミサイル、無人機(ドローン)、防空に関連する施設を攻撃した。高性能の航空機や精密誘導兵器から固定された軍事・戦略拠点を守ることの難しさが浮き彫りになった。
数百基のMANPADSが引き渡されれば、イランが保有する短距離防空兵器は大幅に増強され、中国との軍事関係の深化も鮮明になる。
関係者は、契約は締結済みだが、納入日程や数量などの詳細は変更される可能性があると指摘した。中国西部のウルムチから空輸し、パキスタンを経由してイランに運ぶ計画という。パキスタンからの輸送が空路か陸路かは明らかにしなかった。
パキスタン軍統合広報局(ISPR)は「中国からイランへの防空兵器供給にパキスタンが関与しているとの臆測は、完全な作り話であり事実ではない」と述べた。
<素早い展開が可能に>
軍事専門家によると、携行式防空システムは迅速に分散配置でき、少人数で運用できるほか、頻繁に移動できるため、固定式防空システムより攻撃を受けにくい。
QW12とFN16は肩撃ち式の赤外線誘導地対空ミサイルシステムで、低空飛行する航空機やヘリコプター、ドローンの迎撃を想定している。機動性が高く、軍事施設やエネルギーインフラなどの重要拠点周辺に素早く展開できる。
防衛専門家は、QW12の性能は「QW18」や「QW19」などの新型機種より劣るとみている。ただ、低空飛行する標的に対する短距離防空手段として一定の効果を発揮できると指摘する。












