[1日 ロイター] - ワールドカップ(W杯)の商業権益の一部を売却する計画を発表し、その後撤回した国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長に大きな批判が集まっている。欧州サッカー連盟(UEFA)と北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)は2日、同会長の指導力への信頼を失ったと表明した。
FIFAはW杯などの大会事業への民間資本の呼び込みを目的に、約200億ドル規模の子会社を設立し、外部投資家に最大20%の出資を認める計画を発表した。しかし、各地域の連盟側は事前に十分な説明を受けていなかったと主張し、強く反発した。
総額42億ドル規模とされた提案の撤回は、インファンティーノ会長のリーダーシップに対する世界サッカー界の不安の高まりを浮き彫りにした。とりわけUEFAが先頭に立って批判を展開しており、同会長の再選戦略にも影響を及ぼしかねない。
サッカー関係者らは現在、競技の統治体制や商業的な将来を左右する重要な意思決定について、より強い監督と説明責任を求めている。
今週初めに加盟55協会の全会一致でこの提案を否決していたUEFAは、FIFAの撤回を「サッカー界全体の勝利」と歓迎した一方で、「FIFAとの信頼関係を再構築する作業は始まったばかりだ」と強調した。
UEFAは声明で、「現在のFIFA執行部は、UEFAだけでなくサッカーファミリーの多くのメンバーからも信頼を失っている」と述べた。CONCACAFも、この提案は既存の統治手続きを無視して進められ、透明性や協議、適正な手続きが欠如していたと批判した。
今回の混乱は、インファンティーノ会長にとって微妙な時期に起きた。同氏は4月、FIFA会長として4期目を目指して再選に立候補する意向を示していた。2016年にゼップ・ブラッター前会長の後任として就任して以来、インファンティーノ氏は2度にわたり無投票で再選されており、組織内で強固な地位を築いているとみられていた。
2027─31年任期の再選は既定路線と見られていたが、複数の専門家はロイターに対し、今回の反発は一部加盟協会の不満が表面化したものであり、来年3月にモロッコで開かれる総会を前に再選への道筋を複雑にする可能性があると指摘した。
UEFAは、2016年の会長就任時にインファンティーノ氏が掲げた「透明性の高いFIFA運営」と「FIFA資金は加盟協会のものである」という公約を引き合いに出した。「そのどちらについても彼は約束を果たしていない。彼が考案し、押し通そうとした粗雑で不透明な密室取引は、透明性とは程遠いものだった」とした。
FIFAとインファンティーノ会長は、UEFAの声明へのコメントを控えた。
オランダサッカー協会は今回の経緯を「信頼関係の根本的な破綻」と表現。ドイツサッカー連盟のベルント・ノイエンドルフ会長も、インファンティーノ氏は「一方的かつ不透明に行動し、サッカー界全体の利益のために機能していなかった」と批判した。
スペイン1部リーグのハビエル・テバス会長は、提案撤回自体は歓迎するとしながらも、統治上の問題は解決していないとしてインファンティーノ氏の辞任を求めた。
一方、カタールはこの提案には一定の意義があったとして、インファンティーノ会長の取り組みを全面的に支持すると表明した。モロッコサッカー連盟のファウジ・レクジャー会長も、提案撤回の判断を歓迎する一方で、引き続き同会長への支持を表明した。












