Andrea Shalal
[ワシントン 27日 ロイター] - 米財務省は27日、同省が管理する制裁対象者リスト(SDNリスト)から84件の企業や個人を削除したと発表した。制裁制度の効率化を進め、金融機関がより重大なテロ資金供与案件への対応に集中できるようにする取り組みの一環だ。
ベセント財務長官は5月、制裁制度と関連リストの大規模な見直しを開始。時代遅れとなった登録情報を整理し、金融機関のコンプライアンス負担を軽減する方針を打ち出していた。財務省はその後、76件の制裁対象をリストから削除している。
財務省高官の1人は「制裁措置を効率的かつ的確なものとし、過去の政権下で積み上がった不要な項目を取り除くことが目的だ」と説明した。
高官は、2024年には3000件超が新たに指定されたのに対し、17年は880件だった点に触れた上で「制裁は永久に適用するための手段ではない」と強調した。
今回削除された84件の内訳は、死亡した36人とその関連登録、1991年または1992年に指定されたイラク関連33団体、コロンビアの麻薬組織に関する7件の旧式登録、活動が停止した麻薬密売組織の首領8人となっている。
また財務省外国資産管理局(OFAC)は22件の個人・団体情報について、識別情報の不足や不明確な点を補足・修正した。出生地や生年月日、国籍、識別番号などの情報を充実させることで、金融機関による制裁対象の照合作業を容易にする狙いがある。
財務省によると、削除対象はいずれも関係省庁との協議を経て決定しており、米国の外交政策や国家安全保障上の利益を損なわないことを確認した。必要に応じて再指定することも可能としている。
リスク管理会社オブシディアン・リスク・アドバイザーズのブレット・エリクソン氏は、制裁リストの簡素化によって金融機関が真に重大な脅威への対応に集中できるとの見方を示した。
財務省は6月29日、制裁対象となった個人や企業がリストからの削除を申請できる新たなオンラインポータルを開設しており、制裁解除手続きの迅速化も進めている。












