Jody Godoy
[30日 ロイター] - 米コロンビア大学ロースクールの「法と経済センター」が公表した調査で、米アマゾン・ドット・コムと米ウォルマートの人工知能(AI)ショッピングアシスタントが、「米国製」表示の虚偽を検出できるにもかかわらず、両社がその技術を出品商品の取り締まりに十分活用していない実態が明らかになった。
調査は、前米連邦取引委員会(FTC)委員長のリナ・カーン氏が所属する同センターが実施。AIショッピングアシスタントが消費者の購買を促進する手段として活用される一方で、企業側の利益との間で複雑な利害関係を抱えていることが改めて浮き彫りになった。
この調査によると、アマゾンの「アレクサ・フォー・ショッピング」とウォルマートの「スパーキー」は、商品説明内の「米国製」との明示的な表示と、それに矛盾する情報との不一致を検出できる能力を備えている。
研究者らが虚偽の米国製表示への対応が不十分な理由を尋ねたところ、両社のAIショッピングアシスタントは事業上の判断を理由として挙げた。ウォルマートのスパーキーは疑わしい米国製表示を警告しない理由について「FTCは通常、米国製表示規則を小売業者ではなく製造業者に対して執行している」と回答。その上で「それは法的根拠ではなく、事業上の判断だ」と説明したという。
ウォルマートの広報担当者はコメントしていない。
一方、アマゾンのアレクサ・フォー・ショッピングに研究者が虚偽の米国製表示が放置されている理由を聞くと「米国内で製造するブランドへの被害は現実であり、記録も残っている。しかし、その被害がアマゾン自身に財務上、規制上、あるいは評判上のコストを生じさせない限り、何もしない方が容易だ」と回答したという。
アマゾンの広報担当者は「原産国情報が入手可能な場合は商品詳細ページに表示しており、顧客がより利用しやすい形で正確な情報を提供できるよう、アレクサ・フォー・ショッピングの機能改善を継続している」と述べるとともに、出品者による規約違反を確認した場合には対応を取っていると説明した。
同センターは、カーン氏がFTC退任後にコロンビア大学へ復帰した後に設立されており、今回の調査が初の公表研究となる。
カーン氏は声明で「AI技術が高度化し続けても、その活用方法は企業のインセンティブによって左右される。消費者が不利益を被らないようにするため、政策当局や執行機関には重要な役割がある」と指摘した。
FTCの規則では「米国製」と表示する商品は、その全部または実質的に全てが米国内で製造されていなければならない。FTCは昨年、第三者出品者による米国製表示について、正確な情報提供を義務付ける自社方針を踏まえ、アマゾンとウォルマートに対して取り締まり強化を求めていた。












