[23日 ロイター] - 米電気自動車メーカーのテスラと宇宙関連企業スペースXの最高経営責任者(CEO)を兼任するイーロン・マスク氏は英誌エコノミストのインタビューで、世界の主要人工知能(AI)開発企業が最先端のAIモデルを公開する前に競合他社からの評価を受けるように促した。背景にはAI技術が急速に進歩し、安全リスクに対する懸念が高まっていることがある。
高度なAIがもたらすリスクを繰り返し警告してきたマスク氏は、最先端のAIモデルの技術的リスクを特定するには、政府よりも競合するAI開発者の方が適任だと主張。あくまでも企業が深刻な安全上の懸念に対処できない場合だけに、規制当局が介入すべきだとした。
同誌によると、インタビューは20日に実施された。この時点では、対話型AI「チャットGPT」を手がける米オープンAIが、自社の高性能モデルを搭載した自律型エージェントがセキュリティーテスト中に暴走し、AI新興企業ハギングフェイスのインフラに侵入するハッキングを引き起こしたことは明らかになっていなかった。
マスク氏は主要AI企業が定期的に会合を開き、安全性やセキュリティーの問題について議論するとともに、新たな大型AIモデルを導入する前に競合他社からの評価を受ける時間を設けるべきだと表明。その上で「私たちができる最も差し迫った対策は、主要AI企業が数週間ごとに何らかの形で電話会議を開き、安全性やセキュリティーの問題について話し合うことだ」と訴えた。
そうすることで競合他社が新たなAIモデルを精査し、リスクを指摘できるとし、もしも企業が深刻な懸念に対処しない場合には「その時点で政府が介入し、措置を講じるべきだ」との考えを示した。
米国や欧州などの政府は、最先端AIを規制する方策を検討している。一方で企業側はこれまで、自主的な安全対策の取り組みや社内テストにほぼ依存してきた。












