米ハワイから約1400キロメートル離れた海域で7月21日(現地時間)、マストの折れた小型帆船が漂流しているところを発見された。公開された救助映像には、漂流者が自力ではしごを登り、助けに来た別の船に乗る様子が映っている。
船員、迅速な対応で漂流者を救助
アメリカの船員組合組織「シーフェアーズ・インターナショナル・ユニオン」によると、貨物船貨物船「M/V George III(ジョージIII号)」の見張り係が漂流している小型帆船を発見。船員で協力してパイロットラダー(救助用のはしご)や救命浮環を用意したのち、貨物船と帆船に近づけた。
一方、漂流していた男性は、係船索発射器で貨物船にロープを飛ばすと自身の帆船にも結び、貨物船から離れないように固定した。実際の救助の様子を捉えた映像には、男性が貨物船にかけられたパイロットラダーを登る様子が映っている。
1か月以上に及ぶ、壮絶なサバイバル
ニュース局「ハワイ・ニュース・ナウ」によると、救助されたのは自身初となる太平洋横断に挑んでいた、カイ・サトウさんだ。
サトウさんは6月1日、カリフォルニア州サンタ・カタリナ島から出発するも、その2週間後にマストが折れてしまった。さらに、エンジンで岸に戻ることを試みるも燃料が尽きてしまったという。
5日ほど考えた末、ありあわせの材料を使って帆船の修理を試みるも、ハワイへの航路に戻るまでは1か月もかかった。
さらに、飲料用水もなくなる事態に。サトウさんは海水を入れたバケツをビニール袋で密閉し、蒸発した水滴を舐めることで命をつないだという。食事は、オートミールや船に乗り上げた魚やイカでしのいだそうだ。
「無力感を覚えました」漂流時の心境
サトウさんは、マストが折れた当時の心境について、「1週間泣きました。ただ南に流されていくだけで、みじめな気持ちになりました」「無力感を覚えました」と同局の取材で振り返った。 救助後は、貨物船の船員が部屋を提供してくれ、衣服や食事も用意されたという。サトウさんは船員のはからいについて、「喜びでいっぱいになりました」「泣けてきて、とてもしあわせだったんです」と語っている。












