海洋科学の発展を目的としたアメリカの非営利財団「シュミット海洋研究所」の深海探査チームが7月7日、35日間にわたる調査を終えました。調査中、水深710メートルで撮影された貴重な深海魚の姿が話題を呼んでいます。
SNSの声「極小サイズの歯がかわいすぎる」「ほんとに神秘的!」
今回の調査舞台となったのは、ブラジル北東の沖合およそ1290km(800マイル)に広がり、大西洋の赤道付近に位置する「ドルドラムス断裂帯」。カメラが捉えたのはデメニギスの仲間である「クロデメニギス(Winteria telescopa)」とみられています。
シュミット海洋研究所によると、クロデメニギスが自然界で生きている姿を捉えた世界初の映像とのことです。
同研究所が公式SNSで、クロデメニギスの映像を公開すると、そのインパクトあるビジュアルに対し、「深海魚ってほんとに神秘的!」「信じられない映像ですね! 何回もリピート再生しています」「極小サイズの歯がかわいすぎる」といった反応が寄せられました。
クロデメニギスとは?最大の特徴は「筒状の目」
クロデメニギスをはじめとするデメニギス科の魚は、透明な頭部と筒状の目で知られています。漁網で採集されると頭部が損傷してしまうため、2004年になって深海調査で生きている姿が撮影されるまで、デメニギスの真の姿は分かっていませんでした。 一般的な魚の多くは頭の左右に目が1つずつあり、広い視野を持っています。一方で、デメニギス科の魚は、前方・上方を向いた「筒状の目(管状眼)」が大きな特徴です。 シュミット海洋研究所によると、太陽光が届かない深海において、この特殊な目は頭上から差し込むごくわずかな光や、ほかの生物が発する光のきらめきを捉える役割を果すといいます。 また、両方の目で同じ対象を見る「両眼視」ができるため、正確な距離感を得ることが可能です。 これにより、獲物を確実に捕らえるだけでなく天敵の接近をいち早く察知することもできるため、暗黒の深海で生き残るうえで、この独特な目は大きな武器となっています。
サンパウロ大学海洋研究所のマルセロ・メロ博士によると、クロデメニギスは小さな口をストローのように使い、クダクラゲ類(シフォノフォア)、クラゲ類(メデューサ)、サルパ類などのゼラチン質の小型動物プランクトンを捕食するといいます。












